『副科ピアノで成果を出すための3つのポイント』
こんにちは。『Nozaki Music Class』講師の野崎玲欧(のざき れお)です。
私はこれまで音大で副科ピアノを専門に指導し、入学試験の試験官や冬季講習会の講師として数多くの受講生を見てきました。副科ピアノは主科以外の試験科目ですが、「音楽的基礎力」や「楽曲理解」を測る重要な要素として評価されます。
冬期講習会は、限られた時間で副科ピアノを効果的に仕上げるための貴重な機会です。今回は、受験を成功に導くための3つの具体策をご紹介します。
1. 受験直前の受講生は暗譜で演奏し、合格レベルを確認する
冬期講習会は、受験を間近に控えた受講生にとって本番を想定した予行練習の場です。副科ピアノでは暗譜での演奏が基本となるため、この機会に暗譜の精度を確認し、完成度を高めましょう。
暗譜でレッスンに臨むことで、ミスの出やすい箇所や弱点が明確になり、講師から具体的な修正指導を受けられます。また、講師に「この演奏なら大丈夫」とお墨付きをもらえれば、精神的な自信にもつながります。逆に課題が見つかれば、本番までの修正ポイントが明確になるため、残り時間を有効に使えます。
【ポイント】
• レッスン前に暗譜で演奏できる状態に仕上げる。
• 演奏を通して講師から具体的なフィードバックを受ける。
• 試験本番を意識し、緊張感を持って1回の演奏に集中する。
この時期に暗譜を仕上げておくことで、実力と自信を同時に高められます。
2. レッスン最初に疑問点を解決し、短時間で効率的に学ぶ
冬期講習会の副科レッスンは20分~30分と短時間です。その中で最大限の成果を出すためには、レッスン最初に「疑問点」や「苦手な部分」を講師に伝え、解決することが重要です。
例えば、「この部分の指使いが安定しない」「ペダルの踏み替えがわからない」など、練習中に感じた悩みや疑問を事前に整理しておけば、的確なアドバイスを受けられます。レッスン時間を有効に使い、課題をクリアすることで演奏の質を短期間で向上させることができます。
【ポイント】
• レッスン前に「質問したいこと」「解決したい課題」を明確にする。
• 最初に疑問点を解消し、残り時間で演奏の仕上げに集中する。
• 指摘された点はメモし、次の練習で確実に修正する。
疑問を先に解決することでレッスンの密度が高まり、短い時間でも大きな成果を得られるでしょう。
3. 再来年度以降の受験生は学習プランを立て、無理のない習慣を作る
再来年度以降に受験を控えている受講生にとって、講習会は今後の学習プランを立て、ピアノへの取り組み方を見直す絶好の機会です。副科ピアノは日々の積み重ねが重要ですが、「毎日必ず弾かなければ」と気負う必要はありません。
大切なのは、「無理なく継続できる練習の習慣」を作ることです。週に数回でも計画的にピアノに取り組むことで、基礎力をしっかりと固めることができます。
【具体例】
• 半年間で1曲をじっくり仕上げる: 和声や曲の構成を理解しながら、練習方法を模索する。
• 週3~4回の短時間練習: 1回20〜30分程度、スケールやアルペジオを取り入れて基礎力を強化する。
• 取り組む曲を講師と相談する: 自分に合った曲を選び、長期的な目標を設定する。
冬期講習会で講師と相談しながら、今後の道筋を明確にし、無理のない頻度で副科ピアノと向き合う習慣を作りましょう。早めに計画を立てることで、受験本番に余裕を持って臨むことができます。
まとめ:冬期講習会を最大限に活用する
冬期講習会は、短期間で副科ピアノの力を引き上げる貴重な機会です。
• 直近の受験生: 暗譜で演奏し、講師から合格レベルの評価を受ける。
• 短時間のレッスン: 最初に疑問点を解決し、効率よく成果を出す。
• 再来年度以降の受験生: 学習プランを立て、無理のないペースで基礎力を積み上げる。
この冬期講習会を通じて、副科ピアノの演奏に自信をつけ、本番で確実に力を発揮できる準備を整えましょう。
次回予告
次回のコラムでは、「自信を高めるための実践的な成功体験の積み重ね方」をご紹介します。本番で緊張せず、実力を発揮するための心構えや練習方法をお伝えしますので、ぜひご期待ください!